生前対策
相続時精算課税制度 その2
2021.10.28
贈与税の制度は2つあります。
①暦年贈与
②相続時精算課税制度
両制度とも長所と短所がありますので、どちらを利用すべきかは検討が必要です。暦年贈与に
ついて、概要をお話します。
【暦年贈与の概要】
・1年間ごとの計算で、年間110万円まで贈与税がかかりません。この110万円はもらった人を
基準に考えます。
・110万円を超えた部分について、所定の税率表を用いて贈与税を計算します。
子や孫への贈与については、贈与税が安くなる仕組みになっています。
贈与税の税率表 → https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
・計算例
令和3年に父から100万円、母から50万円の贈与を受けた場合
(100万円+50万円-110万円)×10%=4万円
この4万円が贈与税となります。
【相続税との関係】
・相続開始前3年以内に贈与した分は相続財産に加算して相続税を計算します。
加算の対象になるのは、相続や遺言によって財産を取得した人になります。
【相続税の節税策としての利用】
・暦年贈与はあげる人の財産を消費せずに減らすことができるので、相続税の節税策として
利用されるケースが多いです。子や孫などのもらう側の人が複数人いれば、
「110万円×もらう人数」分が贈与税が発生せずに贈与することが可能です。
・相続税との関係において、相続開始前3年以内の贈与については相続税の対象になって
しまいます。
しかし、この対象となるのは相続人か遺言によって財産を取得する人に限られますので、
それ以外(孫や娘婿など)の人に贈与をすれば対象となりません。