生前対策
相続時精算課税制度 その3
2021.11.01
贈与税の制度は2つあります。
①暦年贈与
②相続時精算課税制度
相続時精算課税制度は2500万円までの贈与について、贈与税がかからないため使い勝手がよさそうですが、メリットもあればデメリットもありますので、注意が必要です。
【メリット】
・2500万円までは贈与税がかからない
・2500万円を超えた部分の贈与については、一律20%の税率で計算
(暦年贈与は最高税率が55%と高い)
・値上がりが想定される財産を贈与すれば、相続税が安くなる
(贈与した財産は相続税の対象になるが、贈与時の金額で評価をするため)
【デメリット】
・一度利用すると暦年贈与が使えなくなる
・贈与があった場合には、少額でも必ず申告が必要になる
・相続の際に、贈与した財産が必ず相続税の対象になる
暦年贈与であれば、相続前3年以内の贈与財産のみが相続税の対象ですが、
相続時精算課税の場合には、全期間の贈与財産が相続税の対象となります。
・現行の制度では相続時精算課税制度の利用がよかったとしても、税制改正が
された場合には、不利になってしまう可能性がある
以上を踏まえると、相続時精算課税制度を利用すべき人は以下のようになります。
【相続時精算課税を利用すべき人】
・相続財産が相続税の基礎控除以内の人
相続財産が相続税の基礎控除(3000万円+1000万円×相続人の数)以内の
場合には、相続税がかかりません。そのため、贈与財産が全て相続税の対象と
なってしまうということがデメリットになりません。
・自社株式など、将来値上がりが想定される財産を贈与する場合