相続の手続き

遺留分に注意!

2024.04.02

遺言書を作成する際は、「遺留分」を把握しておくことが重要です。
遺言書が存在しない場合、相続人全員の同意が得られなければ遺産の分割方法を決定することはできません。
納得のいく解決が見いだせない場合は、調停や裁判が必要になります。
しかし、遺言書があれば、通常はその内容に従って遺産が分配され、手続きが長引くリスクは少なくなります。

ただし、遺言書が存在する場合でも、自由に財産を分配することができるわけではないという点に留意する必要があります。
その理由は、遺留分という制度が存在するためです。

遺留分とは、亡くなった方の家族の生活を保障するために、最低限の金額が相続されるという制度を指します。
遺留分には2つの重要なポイントがあります。まず1つ目は、遺留分が「権利」であるということです。
例えば、遺言書に「長男は親不孝だったので、1円も相続させません」と書かれていたとします。
この場合、長男が遺言書の内容を受け入れるなら問題ありません。
しかし、長男が遺留分を主張する場合、最低限保障されている金額を相続する権利があります。

2つ目のポイントは遺留分の保障額です。遺留分は法定相続分の半分に相当します。
例えば、配偶者と子供が相続人である場合、配偶者の法定相続分は2分の1なので、その半分の4分の1が遺留分となります。
子供の法定相続分は2分の1であり、それを子供の人数で割ることで遺留分が計算されます。
また、兄弟姉妹には遺留分が存在しません。これは、兄弟姉妹と亡くなった方が別の生計を持つことが一般的であるためです。

遺言書を作成する際には、遺留分を侵害する内容になっていないかを十分に考慮する必要があります。